暖かな夕日の光を背にして、今日も仕事を終え一緒に帰宅する二人。

地面に映し出されている二人の影は、どことなく暖かいものを感じさせる。


そんな中、イルカの足取りがピタリと止まった。
「・・・カカシ先生。俺のこと、どの位好きですか」
「は?」
いきなり、イルカがカカシに質問する。
「どの位好きかって聞いてるんです。この位ですか?」
と言いながら、イルカは真剣な顔をして、人差し指と親指で軽く広げて輪を作ってみせた。
カカシは一瞬躊躇した様子だったが、瞬時に何かを悟ったように不敵な笑みを浮かべて、こう言った。
「そんなものじゃないですよ」
「えっ・・・」
「広さになんて値しない位、俺はイルカ先生を愛してますよ」
―――即答だった。


「イルカ先生。また、変なこと考えてましたね。あの沈む夕日のように、俺達の関係もいつか消えてしまう。
そう思ったんでしょう?俺のイルカ先生に対する気持ちが、たかが指先で表せる筈ない位、わかってるでしょうが」
イルカは、自分が質問して返って来た答えに赤面した。
「じゃあ、俺のことはどの位好きですか?」
今度は、逆にカカシがイルカに質問を返す。
「うっ。それは・・・」
「それは?」
「う、うっ、宇宙くらいです!」
「・・・はぁ。それは確かに広いですねぇ・・・と言うことは、宇宙と同じで今もなお、俺への愛が増え続けてるんですね?」
にやにやしてカカシはイルカを見る。

しまった!!

イルカは、答えたことを後悔したが、すでに遅かった。
「あれ。イルカ先生、顔が赤いですよ。もしかして、照れてるんですか?」
「こっ、これは夕日のせいです。照れてなんていません!」
イルカは、急いでカカシから目線を逸らす。
「またまた〜。イルカ先生、今夜は、激しく愛し合いましょうね」
そう言うと、カカシは目をキラキラさせて、イルカの手をぎゅっと両手で握りしめた。
「愛し合いませんっ!」
「えっ!?」
今度は、握りしめていたカカシの手の動きがピタリと止まる。
恐る恐るイルカがカカシの様子を伺うと、さっきとはうって変わって、今にも泣きそうな顔をした上忍が一人、ポツンとそこに立っていた。
イルカは小さなため息をついて、カカシに話しかけた。
「・・・・カカシ先生、鼻の所にゴミがついてますよ。取ってあげますから、目ェ瞑って下さい」
カカシは泣きそうな顔をしたまま、言われるがままに目を閉じた。
なんて正直な人なんだ、この人は。
そう思いながら、イルカはそっとカカシに顔を近づける。



―――カカシ先生。今夜、俺も愛し合いたいです。



そう呟くと、そっとカカシの唇にキスをする。

夕日はもう沈んでしまったけれど、二人の触れ合っている唇は紅く、そしてとても熱かった。









                                                          

久しぶりのラブラブな二人ですv
                                                                二人が対等な立場に居てこそ、成立する愛の形が少しでも伝わればいいのですが・・・。
                                                                               でも、積極的なイルカさんって萌えますよね・・・あっはっは(笑)