イルカのくしゃみでカカシは目を覚ます。
「イルカ先生・・・寒いんですか?」
カカシは横にいるイルカの顔をじっと見つめる。
「い、いえ・・・」
イルカは昨日の事を思い出し、急いでカカシに対して背を向けた。
カカシはそんなイルカの背中を見ながら呟く。
「イルカ先生・・・昨日の事、覚えてます?」
そう言いながら背中にそっとキスをする。
するとイルカは恥ずかしそうに小さい声で喋り始めた。
「カ、カカシ先生・・・昨日の事、二人だけの秘密ですよね」
「秘密って、何がですか?」
カカシはニヤニヤしながら背中をさわっていた手を少しずつ下にずらしていく。
「ちょっ・・・・カカシせんせっ・・・」
まだ昨日の熱が冷めていないイルカは、ビクッと敏感に反応する。
「イルカ先生、こっち向いてくださいよ」
イルカはよほど恥ずかしいのか必死で耐えている様子だった。
そうしている間にもカカシの手は緩むことなくイルカを反応させる。
「っ・・・・・」
中々こっちを向かないイルカに対してカカシは強引にイルカの体を自分の方に向け、キスをする。
「んっ・・・カカシ・・・」
「イルカ先生、俺の事、嫌いになっちゃいました?こうゆう奴ですよ、俺は」
カカシはイルカをじっと見つめる。
「き、嫌いだなんて・・・俺はただ恥ずかしいだけで・・・」
イルカがちらっとカカシを見た瞬間、お互いの視線が絡み合う。
「カカシ先生、俺、貴方の大切な人になれましたか?・・・本当の恋人と言ってもいいんですか?」
不安そうにイルカはカカシの顔にかかっている髪にそっと手を伸ばす。
その瞬間、カカシの左眼がちらりと姿を見せる。
・・・・・・赤い瞳。
イルカはカカシの左眼と目が合うとパッと目線をそらした。
「・・・・この左眼の事、気になりますか?」
カカシはイルカに尋ねる。
「いえ・・・別に・・・」
イルカはまた、カカシに背を向ける。
お互い、長い沈黙が続く・・・
カカシはイルカの後ろ姿を見つめながら、切なく一心にこう願う。
「離れたくない」と。
貴方が自分のものになった瞬間、俺の中に大きな恐怖が生まれた。
日に日に、それは近づいてくる。
幸せの瞬間、隣り合わせにある絶望に俺は心を奪われていく。
(貴方を誰のものにもさせない)
たった一つの、そして唯一の手段ならば、人だって殺める。
でも、貴方はきっとそんな事は望まない。
そうする事によって、また、逆に離れていくだろう。
だからこそ、今のこの瞬間を手放さない為には俺はなんだって出来る。
(・・・・・愛してる・・・)
カカシは再びイルカの背中に優しくキスをする。
「カカシ先生・・・過去の事、何も話してくれないんですね」
イルカが長い沈黙を破った。
「・・・・・」
カカシは黙り込む。
「・・・イルカ先生にだけなら、話します。貴方は大切な人だから。・・・この目の本当の持ち主、それは・・・」
そう言いかけた瞬間、イルカはバッと勢いよくカカシの方を向く。
「もう、いいんです。例え過去に何があろうと、俺は今のカカシ先生が好きなんです。それに、
そんな辛そうな顔をさせてしまっているなんて、俺、恋人失格ですね」
イルカはもう一度カカシの左眼を見て、優しく微笑む。
「イルカ先生・・・貴方は、俺のたった一人の恋人です。いつかきっと、自分から貴方には話しますよ」
そう言うと、二人は昨夜以上の熱いキスをする。
「イルカ先生、俺、貴方の事一生離しませんから」
「俺も、カカシ先生の全てを知るまで…、もちろん知ったとしても、一生離れませんから」
二人の顔に、やっと笑顔が戻る。
と、お互いに笑みがこぼれた瞬間、カチャンと二人の指にはまっている指輪がふれ合う。
その音は、まるでお互いを今まで制御していたスイッチが外れるかのように二人を狂わす。
「んっ・・・カカシ先生・・・っ・・・あっ・・」
二人は熱く、激しく再び愛しあう。
そんな中、カカシは二人の別れがまた一歩近寄って来たのを感じていた。
(きっと、きっと、いつか別れの時はくる)
貴方を失ってから、俺は消えたい。そうしないと、貴方が悲しい涙を流す事になるから。
・・・流してくれると信じたい。
涙を流すのは、俺一人で十分だ。
イルカ先生、俺は貴方のその笑顔が好きなんです・・・・
今を永遠に。
これが、俺のたった一つの願い・・・
前回の「願い」はイルカ視点で、今回の続編はカカシ視点で書いてみました。
一応切ない中にも二人はラブラブでっす。
ベットの上から二人とも動いてません(笑)
で、書いてる途中で少しエロ部分をカットしたんですけど
なんか「エロカット」って、髪型みたいやなぁ・・・と。
ショートカットみたいな感じで、エロカット。
・・・・はい、ごめんなさーい(逃)