闇から舞い降りる、一枚の―――。
吸い込まれそうな闇の中に、舞い降りる一枚の―――。
ゆっくりゆっくり舞って、俺の心に着地する。
目が離せない。
違う。そうじゃない。
離せないんじゃない。俺が離さないだけなんだ。
あんたは俺に対して、偏見の無い笑顔をくれた。
なんで俺にまで、そんなに優しいんだ。
何を思った訳でもなく、俺は泣いた。
愛しい人。
言葉にすると、ただそれだけ。でも、この言葉はあの人の為にある言葉。
好きと思うたびに、俺の闇は広がって。
手に入れたいと思うたびに、俺は正気を失って。
抱きたいと想うたびに、両手から流れ落ちる黒い血が消えなくて。
愛しい人。
不安で不安で、誰かに取られてしまわないかと。
結局、俺はたった一つの花びらに触れる事さえ出来ないんだ。
そして、そこに在ることに安心し、今日も眠りにつく。